ただただくるしいだけだった水中花について
比較的むかしというほどでもないまだかぎりなく未熟だったころのおはなし そう随分と未熟だったころ
わたしはなんとなく心労がからだに出るのがうれしかったんだ
つらいとかつかれたとかかなしいとか出す口も精神も持ち合わせていなかったから
ただなんとなくうれしかったんだ
目に見える数値化されたわたしの異常さによって
なにかが変わるかもという浅い期待と夢くらいは抱いていたのかもしれない
苦労しているような努力しているような自分が誇らしかったのかもしれない
ただ ただなんとなく
とくに深い意味はなかったように思うけど
ただなんとなく、うれしかったんだ
そんな随分と愚かな時代もあったんですよ、というお話。