暗闇のなか、地べたに這いつくばって、見えない糸を結ぼうとする作業にも飽きてきた。

いつだったか、わたしはわたしからのがれたくて、いろんなものを切ってしまった。

それをどうにか繋ぎなおさないと、この世界には似つかわしくないらしい。


皮膚と骨とのあいだには、猫が吐いた毛玉がつまっていると聞く。

ゆがんだ春の夢をみた猫の毛玉だ。

猫はどこまでも跳ね、ちいさなほしを食い荒らす。

骨はわたしから、肉は綿花から、皮膚は星座から。

ほしのない夜に、猫はしに、わたしもながくはいきられまい。


あとどれくらい耐えれば遺伝子を壊せるか、賭博の罪はどれほどだろうか。

わたしの身体は嫌悪から生成されて、今日もまただれかをころす。

嫌悪することにも、嫌悪されることにも、すっかり慣れてしまった。


ビタミン剤をいくら飲んだところで、わたしの神経は修復されない。

いずれ感覚はにぶくなり、逃れられないゆめをみるだろう。

依存とゆがみとくるった音と、よくなりもしないきずばかりかかえて、通り魔にさしころされるゆめをみるのだ。